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第15回
おばけやしき
桜科祭実行委員会 企画部署

ここは、旧桜花病院。20年前、突如として封鎖された。表向きの理由は経営難だが、患者は次々と姿を消し、遺族のもとに届くのは、ただの空白の死亡記録だけだった。
この病院を支配していたのは、主任医師・山崎。彼は患者も看護師も手当たり次第に殺し、人体実験という名の異常な遊戯に没頭していた。狂気に取り憑かれた山崎は、誰も助けることなく、ただ恐怖を楽しむだけだった。その数は計り知れない。
廊下に残るのは、逃げ惑う人々の足音と絶叫、肉を切り刻む鈍い音。闇に染み付いたそれらは、確かにここで繰り返された恐怖の残響だ。
人々はそれを都市伝説だと笑った。しかし封鎖された扉の奥には、今も山崎の記録が眠り、血塗られた証拠は決して消え去ることはない。
そして、今も誰かを待っている。
嘘だと思うなら確かめに行くがいい。
だが、次に切り刻まれるのはお前だ。
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